導入事例
株式会社サウナキャンプ様インタビュー
「ととのう物流」はじめました。テントサウナを支える物流の選択
春先から盛り上がりを見せるアウトドア市場の中で、今注目を集めているのが「テントサウナ」です。その魅力を発信しながら、ECを通じて関連商品を展開しているのが、株式会社サウナキャンプ。
今回は、代表の兼康氏と共同創業者の大西氏に、事業立ち上げの背景や、物流の課題とその解決策、そして今後の展望についてお話を伺いました。
株式会社サウナキャンプ様のホームページはこちら:https://saunacamp.net/
「サウナが好きな人に、本当に喜ばれるアイテムを届けたい」
― 今取り扱っている商品について教えてください。
兼康氏:現在は、テントサウナを中心に、サウナ周辺のアイテムを取り扱っています。サウナ好きな「サウナー」の方たちが本当に喜ぶようなアイテムを取り揃えています。
― この春のシーズンは、やはり繁忙期にあたりますか?
兼康氏:そうですね。キャンプのイメージが夏に強いので、それに向けて「キャンプしながらテントサウナやろう!」という盛り上がりが出てくる時期です。
海外からの個人輸入で始まった、サウナへの情熱
― 通常のアウトドア商品とテントサウナ関連商品の違いはどこにあるのでしょうか?
大西氏:我々は元々、アウトドアでサウナをやりたくて事業を始めたんです。当時は、日本にアウトドア用サウナの文化がまったくなかった。サウナから湖や川に飛び込む体験ができるような製品も流通していなくて、個人で海外から輸入し始めたのがきっかけです。
いろんな国の製品を取り寄せて、実際に使ってみました。その中で、温度の上がり方や「ロウリュウ(熱した石に水をかけて蒸気を発生させる)」のしやすさ、テントのフレームが内側に露出しないユーザー目線の設計のものなど、愛好家が求めるスペックを満たしているブランドを選んだんです。それが今、取り扱っている製品の特徴にもなっています。
テントサウナが日本で広がるまでの試行錯誤
― 海外製品を日本に持ち込むにあたって、苦労も多かったのでは?
大西氏:とにかく情報がなかったんです。英語の説明すらまともになくて、「これ本当にロープ?」みたいな麻紐のようなものが入っていたり(笑)。Google翻訳を駆使して、なんとか調べながら使っていました。
あと、日本と海外では気候も違うし、遊べる場所のルールも違う。日本で楽しむための環境整備も含めて、常に試行錯誤していましたね。
「サ道」ブームとコロナ禍がもたらした転機
― サウナブームの波、そしてコロナの影響はどのようにありましたか?
大西氏:2019年に放送されたテレビ東京のドラマ『サ道』が、今のサウナブームの大きな火付け役になりました。これを機に、サウナの楽しみ方を知った新しい層が一気に増えたんです。
でも、盛り上がっていた矢先にコロナが来て…。密室空間ということもあり、サウナに行きづらくなった人が多かった。そんな中で注目されたのが「個室サウナ」。その中でもテントサウナは、プライベート空間で楽しめて、価格も手ごろ、しかもアウトドアなので感染リスクも低い。いろんな要因が重なって、一気に人気が高まりました。
また、日本では昔ながらの「我慢する」サウナが主流だったところに、蒸気やアロマを楽しむフィンランド式が注目されるようになったという文化的な背景もあります。
初心者向け!テントサウナの楽しみ方&おすすめアイテム
― 今年テントサウナに初挑戦してみたい方に向けて、アドバイスをお願いします。
大西氏:まずは「水遊びができる・テントが立てられる・火器使用が可能」という場所を選ぶことが大事です。あとは、道具の総重量が50kg以上になることもあるので、できれば車を横付けできる場所がおすすめですね。
うちのショップでは、テントサウナができる場所のマップも公開しているので、参考にしてもらえればと思います。
― 初心者が揃えるとよいアイテムにはどんなものがありますか?
大西氏:実用的なもので言えば「火ばさみ」「ロウリュウバケツ」「ベンチ」など。快適に楽しみたいなら、コールマンの「インフィニティチェア」がおすすめです。水風呂から上がってリクライニングに寝転がると、まさに“ととのう”感覚が味わえますよ。
アロマオイルや白樺の葉「ヴィヒタ」も、テントサウナならではの体験ができるアイテムです。
兼康氏:あと、意外と見落とされがちなのが「サウナハット」。思っている以上に熱くなるので、頭の保護は必須です。
― 温泉施設のサウナでもサウナハットを見かけますが、違いはありますか?
大西氏:全然違います。特にテントサウナは薪を使うので熱量が強いんです。普通の薄い素材では熱から守りきれないので、ウール製のしっかりしたハットを選んでください。あと、手ぶらで行って楽しめる施設のリストもあるので、最初はそういう場所で気軽に体験してみるのもアリですね。
会社名やショップ名の由来について
西柳:ここからは、貴社の社名やショップ名の由来についてお伺いできればと思っています。
大西氏:これも本当にそのままなんですが、「キャンプしながらサウナができる」という文化をそのまま表現しています。
「サウナキャンプ」という名前は、一般名称のように自然に使ってほしいという思いもあって、「週末サウナキャンプ行こうか」みたいな会話が普通にされるような、そんな存在になればという願いを込めて名付けました。
西柳:私も、ぜひ実際に体験できる場所を探して、こっそり一人で行ってみたいと思います。
大西氏:本当に最高ですよ。「あ、サウナって本当はこうだったんだな」っていう、原点回帰みたいな感覚になりますね。
僕らもよく「アウトドアサウナ」って表現するんですけど、実は元々こっちが“本来のサウナ”なんじゃないか、街のサウナはそこから派生したものなんじゃないか、って思うようになります。
アウトソーシングを検討したきっかけについて
西柳:これからアウトソーシングを検討されるお客様に向けた情報として、参考になるようなお話をお伺いできればと思います。
大型商材の取り扱いに関しては、「移管するのが大変そう」といったネガティブな印象ですが、御社がアウトソーシングを検討されたきっかけについて、ぜひお聞かせください。
兼康氏:はい。まず一つ大きな理由として、取り扱う商品数がかなり増えてきたことがあります。以前は1点あたりで保管費用がかかるサービスを利用していたんですが、それを坪単位での管理に変更したかったんです。
そこから「移管すると、どれくらいコスト削減できるのだろう?」と考え始めたのがきっかけでした。
西柳:ありがとうございます。当時の委託先ではSKU(在庫管理単位)ごとに保管料が発生していたとのことで、商品数が増えれば増えるほどコストが上がる、いわゆる「従量課金型」からの見直しを図られたということですね。
兼康氏:そうなんです。私たちはもともとEC物流やアウトソーシングのことをあまり知らずにスタートしたので、調べながら「こんなサービスがあるんだ!」と知っていった感じでした。
最初は、1点あたりでの保管が最適だと思っていたんですが、「坪単位での管理」という方法があると知って、それならコストも下がりそうだと後から気づいた、という経緯です。
山口:御社の商材はサイズ感のバリエーションが豊富だと思いますが、坪管理にして良かったと感じた点はありますか?
兼康氏:すごく大きな商品もあれば、すごく小さい商品もあって、本当にいろいろなんです。例えばアロマオイルのような超小型の商品もあれば、テントサウナのような140〜160サイズの大型商品もあります。
1点ごとに保管費用を計算すると、すごい金額になってしまうんですよね。坪単位だと「こんなに保管できるのに」と思えるようなスペースでも、1点単位だと割高になってしまっていた、ということに気づきました。
西柳:おっしゃる通りですね。EC物流の世界では、サービスも常に進化しています。最近では、ワンパッケージ型で「この料金で行きます」といった固定価格のサービスも増えていますが、それが必ずしもすべての商材にフィットするわけではありません。
商材の種類や出荷頻度、販売方法によって最適な物流の形は変わってくるのがEC物流の特徴です。
西柳:はぴロジのようなサービスでは、ワンパッケージとは異なり、商材に応じて柔軟に対応できるのが強みです。小型から大型まで多様な商品を取り扱われる御社のようなケースでは、1点ごとの保管ではなく、物流費用を全体として最適化していくご提案が可能だと思います。
さらに、販売方法によっては、付帯作業(検品やラベル貼付など)も標準パッケージ内では収まりきらない部分があるため、そういった個別対応も含めて最適化できるのが弊社の強みです。
西柳:パッケージ型を選ぶか、それとも柔軟な対応サービスを選ぶか。大型商材を取り扱うユーザー様にとっては、より広い可能性が生まれると思います。
今後のlogiecへの期待と、ショップとしての展望
西柳:今後、logiecに期待することやご要望があれば教えていただけますか?
兼康氏:以前使っていたシステムと比べて、logiecではちょっと使いづらいと感じる点が一つあります。それがUIの部分です。というのも、僕たちは海外からコンテナ単位で商品を一括入荷することが多くて、その際にかなりのSKU数をまとめて登録しなければいけないんです。
現状のlogiecでは、商品コードを1点ずつ検索して個数を入力する必要があって、正直ちょっと手間を感じています。
たとえば、画面上でもう少し直感的に操作できるようになれば、かなり楽になるかなと思っています。
西柳:貴重なご意見をありがとうございます!実際の運用に即したご要望として、さっそくオペレーションチームに共有させていただきます。
西柳:それでは最後に、今後の御社の事業展開やビジョンについて、直近の計画などをお聞かせいただけますか?
兼康氏:はい。無事に倉庫の移転も終わり、ショップのリニューアルも完了しました。これからは、テントサウナに限らず、サウナ好きな方々がもっと楽しめるアイテムをどんどん増やしていきたいと考えています。
最近では、サウナ内でやると盛り上がるサウナ用ボードゲームや、サウナ後に飲むとより美味しく感じられる「サウナコーラ」の取り扱いも始めました。今後は、サウナにまつわるユニークな商品も企画・開発していく予定です。
また、ゴールデンウィークから7月上旬にかけては、テントサウナのベストシーズン。もちろん、秋の紅葉と一緒に楽しむのも格別ですし、寒さの中で“ととのう”冬サウナは、まさに上級者の楽しみ方です。一年を通して、それぞれの季節に合ったサウナ体験を提案していけたらと思っています。
株式会社サウナキャンプ様のホームページはこちら:https://saunacamp.net/