「定期発注方式」と「定量発注方式」とは?使い分けのポイント | はぴロジ

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「定期発注方式」と「定量発注方式」とは?使い分けのポイント

 

 

商品の在庫を適切な数にするには、「発注」が重要なポイントのひとつです。発注方式は6種類あり、数ある発注方式の中でも多くの倉庫で採用されているのが「定期発注方式」と「定量発注方式」です。この記事では、発注方式それぞれのメリット・デメリットと、選び方について紹介します。

 

 

 

定期発注方式とは?導入するメリット・デメリット

 

 

まずは「定期発注方式」です。1週間ごと、あるいは1ヶ月ごとなど、発注のタイミングを定期で設定し、在庫や必要量に応じて発注量を決める方法です。

 

商材の発注量を決める際は、以下の計算式を使います。

■発注量の計算式

(発注間隔+調達期間)×1日あたりの予想消費量+安全在庫-現在の在庫数-発注残

 

「発注間隔」とは、次の発注までの日数です。1週間ごとに発注するのであれば7日となります。ただし、発注してもすぐに商品が入ってくるわけではありません。そのため、発注から入荷までの日数を「調達期間」として加算します。つまり、「次回発注した分が入荷するまで在庫があれば良い」という考え方です。「在庫調整期間」とも呼ばれています。

 

在庫調整期間の日数に1日あたりの予想消費量を掛け合わせた数値が、次回発注した分が入荷するまでに消費されるおおよその在庫量です。しかし、需要の変動によって予想よりも多い受注が入ると、在庫切れとなって販売機会の損失につながるケースもあります。

 

倉庫では、このような消費のぶれによる損失を防ぐために、「安全在庫」を確保しておくのが一般的です。この分も発注量に加えます。安全在庫量を計算する式は、以下のとおりです。

■安全在庫量の計算式

安全係数×需要数の標準偏差×√(発注間隔+調達期間)

 

安全在庫量の数値は表計算ソフトを使うのがおすすめです。

 

まず、「安全係数」とは、100回の受注で何回まで欠品を許容できるかによって決まります。NORMSINV関数を用いて計算します。100回中1回だけ許容できるなら、安全係数は2.33です。一般的には5回まで許容する際の1.65という安全係数が用いられます。

 

参考までに、欠品許容率が0.1~10%の安全係数は以下のようになります。

 

0.1%→3.1
1%→2.33
2%→2.06
5%→1.65
10%→1.29

 

需要数の標準偏差は「STDEV関数」を用いて計算します。商品それぞれの過去の出庫数を示した表の中から需要数のサンプルを範囲指定するだけで、標準偏差を割り出せます。

 

これで、次回発注した分が入荷するまでに必要な在庫量が計算できました。しかし、倉庫によっては在庫があったり、前回発注した分がまだ入荷していなかったりするかもしれません。これら(現在の在庫量と発注残)を引いて、最終的な発注量が確定します。

 

仮に、発注間隔が7日、調達期間が5日、1日あたりの予想消費量が5個、安全在庫が30個、現在の在庫量が7個、発注残が35個であれば、(7+5)×5+30-7-35で発注量は48個です。

定期発注方式のメリット

定期発注方式では、発注のたびに量を変えられるので、需要に応じて柔軟な発注ができます。余分な在庫を抱えたり、逆に在庫切れで販売機会を損失したりするリスクを軽減できます。

 

ほかにも、発注日があらかじめ決まっているため、発注忘れを防ぎやすいというメリットもあります。

定期発注方式のデメリット

定期発注方式は、発注のたびに1日あたりの消費量や安全在庫を予測したり、現在の在庫量を把握したりする作業が発生するため、手間がかかるのがデメリットです。すべての商材で定期発注方式を採用するのは、あまり現実的ではありません

 

ほかにも、最低発注量が決まっていたり、配送料金を節約したりするなどの理由で、必ずしも計算どおりの数量で発注できないというデメリットもあります。

 

 

 

定量発注方式とは?導入するメリット・デメリット

 

 

次に「定量発注方式」です。商材の在庫が一定数を下回った際に、決まった数量を発注します。そのため発注のスケジュールは定まっていません。

 

定量発注方式で、発注の基準となる一定量を「発注点」といいます。発注してから入荷するまでに消費される在庫の量に、急な消費のぶれに対応できる安全在庫の量を加算したものが、発注点となります。それを下回ると在庫切れのリスクが高くなります。

 

発注点は、以下の計算式で割り出されるのが一般的です。

■発注点の計算式

1日あたりの在庫消費量×調達期間+安全在庫

定量発注方式のメリット

定量発注方式では、発注点さえ決めてしまえば、下回ったタイミングでいつもと同じ量を発注するだけなので、手間がかかりません。定期発注方式のように、1日あたりの消費量や安全在庫を計算し直したり、在庫量を把握したりする作業も不要です。

 

ほとんどの商材を定量発注方式にすれば、発注の手間を大幅に省けるでしょう。

定量発注方式のデメリット

一方で、定量発注方式では急な需要の増減に対応できないのがデメリットです。いつも同じ量を発注するため、需要が増加しても在庫を確保できず、逆に需要が減ると余剰在庫になるおそれがあります。

 

どちらかといえば、安定して消費が見込める商材向きの発注方式です。

 

 

 

定期発注方式と定量発注方式はどう使い分ける?

 

 

では、定期発注方式と定量発注方式は、どのように使い分ければ良いのでしょうか。

商材によって使い分ける

まずは商材の性質によって使い分ける方法です。

定期発注方式に向いている商材

需要に波があって、一定期間におけるおおよその消費量を予測するのが難しい商材は、発注のたびに数量を計算する定期発注方式が向いています。短いサイクルで発注していれば、急な需要の変化があっても、対応しやすいでしょう。特に陳腐化しやすい商材については、余剰在庫を抱えるリスクを軽減できます。

 

ほかにも、単価が高い商材は、在庫を切らしてしまうと大きな損失となるので、定期発注方式にしておくと安心です。
消費期限や賞味期限がある商材についても、余剰在庫を抱えてしまうと廃棄しなければいけないため、定期発注方式にするほうが良いでしょう。

定量発注方式に向いている商材

常に需要と供給が安定しており、変動しても時期や数量が予測しやすい商材は、定量発注方式が向いています。いつでも一定数を確保できるので、在庫を切らしたり、逆に余剰になったりする心配がありません。

 

ほかにも、単価が低い商材は、万が一在庫を切らしても売上への影響が少ないため、定量発注方式が適しているでしょう。
長期保管ができて劣化しづらい商材についても、余剰在庫になってから廃棄するまでの期間が長いため、定量発注方式にしても問題はありません。

ABC分析によって使い分ける

ABC分析の結果により発注方式を考える方法もあります。ABC分析とは、商材を重要度の高い順にA・B・Cのグループに分ける手法です。

 

詳しい算出方法については、以下の記事が参考になります。

定期発注方式に向いている商材

ABC分析の中で定期発注方式に向いているのは、回転率が最も高いAランクの商材です。受注数が多いことから欠品した際の損失が大きいため、状況を見極めながら適切な数量を発注することが求められます。

 

定期発注方式なら、手間こそかかるものの、需要の変化に応じて柔軟な発注ができるでしょう。

定量発注方式に向いている商材

受注の頻度が少ないBランク以下の商材は、定量発注方式が向いています。

 

先述のとおり、定量発注方式のメリットは、発注の手間がかからないところです。発注に手間がかかると、人件費などコストが増える原因になります。Bランク以下の商材を定量発注方式にすれば、Aランクの商材だけに注力すれば良くなり、無駄なコストをかけずに済むでしょう。

 

 

 

在庫管理の効率化ならアウトソーシングがおすすめ

倉庫で扱う商材の種類や数量が多くなり、在庫管理が煩雑になって自社で対応するのが困難になってきたら、アウトソーシングを考えてみるのもおすすめです

 

特に発注業務は、事業のキャッシュフローや信頼性にも大きく影響するため、最適化と効率化が重要です。アウトソーシングなら、倉庫のスペシャリストが最適化と効率化を実現してくれます

 

はぴロジ」のフルフィルメントサービスなら、設定した発注点を下回るとメールでお知らせするサービスや、各種引当機能の利用が可能です。

 

さらに、自動出荷管理システム「HAPILOGI ASIMS」では、あらゆるカート・モール・受注管理システムとWMS(在庫管理システム)の媒介となり、物流に関するデータを一括管理できます。複数の倉庫における実在庫数の把握も簡単です。
また、物流業務を一括で代行することもできるため、人件費や工数を削減できます。

 

「はぴロジ」では、業種やサービス、発送方法に合った倉庫とのマッチングを重視しています。全国に拠点があるため、自社に合った委託先を見つけられるでしょう。

 

 

 

まとめ

定期発注方式では、発注のたびに数量を変えられるため、在庫を切らしてはいけなかったり、需要に波があったり、消費・賞味期限があったりする商材に向いています。発注の際には数量の計算や在庫の確認という手間がかかるため、条件に当てはまらない商材については、定量発注方式にするのがおすすめです。

 

 

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