導入事例
株式会社リブクリエイション様 インタビュー

今回は千葉県柏市を拠点に出荷代行業務を展開されている、株式会社リブクリエイションの遠藤様にお話を伺いました。同社は、自社通販の経験を活かし、きめ細やかな物流サービスを提供しています。
事業成長のきっかけとなった楽天スーパーロジスティクス(RSL)の値上げへの対応やOMS連携とコストメリットを両立させたシステム選定、導入後の具体的な効果まで、詳しくお聞きしました。
株式会社リブクリエイション様のホームページはこちら:https://livcreation.jp/
Q1. まず、貴社の事業内容とここまでの成長の軌跡について教えてください。
遠藤氏:メインはEC事業者様向けの出荷代行業務です。もともと事業の始まりは自社の通販サイト運営でして、自分たちで商品を梱包して発送するという、一般的な通販会社の動きをやっていました。
出荷代行を始めたきっかけは、本当に「縁」なんです。代表の知り合いに同業の方がいて、「出荷業務が大変だ」という話を聞いた際に、「じゃあ、うちで出荷を代行しましょうか?」と。そんなフラットな感じで始まったのが、結果的に初めての出荷代行になりました。
そこからお付き合いした会社さんが成長していく中で、代表が「この出荷代行事業は、同業者はもちろん、日々の出荷業務にお困りな企業のお役に立てるんじゃないか」と考え、本格的に通販と物流の二つの事業を始めました。
——そこから現在3拠点で約8,000坪という規模まで拡大されましたが、ターニングポイントはどこにあったのでしょうか?
遠藤氏:最初は居抜きの事務所の半分、従業員5人ほどからのスタートでしたが、荷物が増えるにつれて倉庫オーナーである西濃運輸さんから拡張のご提案をいただいたり、佐川急便さんと連携して送料面での競争力をつけたりすることで、BtoBからBtoCへと案件の幅を広げ、現在の約8,000坪という規模まで拡大してきました。
——多くの3PL事業者がいる中で、御社が選ばれ、成長を続けてこられた要因はどこにあるとお考えですか?
遠藤氏:クライアントに寄り添った「柔軟な対応力」にあると考えています。
当初はBtoBがメインでしたが、時代の変化と共に個人向けのBtoC案件も増えていきました。BtoCは画一的なルールでは対応しきれない部分も多いのですが、私たちは決まった枠に当てはめるのではなく、案件ごとに最適な運用フローを模索し、お客様と共に作り上げていく「伴走型の倉庫運営」を徹底しています。
単に荷物を預かるだけでなく、一社一社の課題に合わせた体制を構築できたことが、選ばれ続けている大きな要因だと言えます。
——まさに「縁」と「パートナーシップ」で拡大されてきたのですね。その中で、事業が急成長した具体的な転機はあったのでしょうか?
遠藤氏:大きなターニングポイントになったのは、競合である楽天スーパーロジスティクス(RSL)の値上げですね。
実は以前、コストを理由にRSLへ切り替えられ、月間1万件近くの発送案件を失ったことがありました。しかし、今年(取材時)6月のRSL値上げの際、そのお客様から「物流費がどうなるか相談したい」と連絡をいただいたんです。
RSLの請求実態を分析したところ、新たな手数料の追加などで物流費が15〜20%も上がることが判明しました。そこで「改めてうちでやりましょう」とご提案し、契約を取り戻すことができました。この経験から「RSLからの切り替え提案」という勝ち筋が見え、横展開することで2社目、3社目と契約を獲得できるようになりました。

Q2. 「logiec」導入前の業務フローや、従来のシステムに感じていた課題は何でしたか?
遠藤氏:私が入社した当初、まだ倉庫が50坪ほどだった頃は、全くシステムがありませんでした。Excelでもらったデータでピッキングリストを作り、目検でチェックして発送する、完全なアナログ管理です。
しかし、BtoCで1日100件、200件と案件が増えてくると、アナログ管理ではミスも増え、限界が見えてきました。
そこで他社のシステムを一度導入したのですが、そのシステムには「OMSとの繋ぎ込みができない」という大きな課題がありました。システムのサイト内に注文情報を集約させることしかできず、既にお客様がOMS(クロスモールなど)を導入している場合、連携ができずに契約に至らないという悩みがあったのです。
アナログで管理していた頃は、ミスの問題も深刻でした。どんなに注意しても、バーコードスキャンがなければ「思い込み」による検品ミスが発生します。ミスが続けばお客様の満足度が下がり、倉庫を乗り換えられてしまう。それを防ぐためにチェックする人を増やし「二重チェック」を行うと、今度は人件費が上がり、効率が落ちる。単価は変わらないのにコストだけが増えていくという、完全な「負の連鎖」に陥っていました。
Q3. そうした課題感が「logiec」の導入を検討されたきっかけにつながるのですね?
遠藤氏:はい。先行して導入した他社システムには、「受注管理システム(OMS)とのAPI連携ができない」という致命的な課題があったんです。
当時、ちょうど「クロスモール」というOMSを利用されているお客様から、RSLからの乗り換え相談を受けていました。業務自体は請けられるのに、システムの仕様上データを自動連携できず、「この案件の受注は無理なのか……」と手放す寸前の状況でした。
そんな時に、はぴロジさんからlogiecのご提案をいただき、OMS連携ができると聞いて「マジか!できますか!」と(笑)。それが直接の導入のきっかけです。本当にすごいタイミングでした。
Q4. なぜ数あるシステムの中から、「logiec」を選んでいただけたのでしょうか?
遠藤氏:決め手は大きく2つあります。
1つ目は、先ほど(Q2)お話しした「OMS(クロスモール)とAPI連携できる」ことです。これは、RSLからの乗り換え案件を獲得する上で必須条件でした。
2つ目は「コストメリットと契約形態」です。以前利用していた他社サービスは、案件ごとの契約が必要で、それぞれに最低2万円のシステム利用料が発生する仕組みでした。
一方「logiec」は、他社に比べて低コストな上、倉庫側が主体となって契約できる点が大きな違いでした。他社サービスでは荷主様との直接契約が必須条件となることが多いため、これは非常に助かります。
この柔軟な契約形態のおかげで、例えば月間100件に満たないような小規模なアナログ案件も、システム管理に集約できるようになりました。他社システムですべて管理しようとするとコストが膨大になってしまいますが、「logiec」なら低コストで運営可能です。ここに非常に大きなメリットを感じ、アナログ案件も含めて「logiec」に一本化することを決めました。
Q5. ご契約から利用開始までのプロセスはいかがでしたか?特に、導入サポートについてのご感想を教えてください。
遠藤氏:専任のスタッフが1人ついてくれるのは、非常に「強い」と感じています。
他社システムの場合、専任サポートはなく、基本的にチャットで問い合わせて「わかる人間から連絡します」という形で、少し壁があるイメージでした。また、初期費用がかからない分、「マニュアルを渡すので、あとはご自身で。わからなければ聞いてください」というスタンスでした。
一方「logiec」は、専任担当の方がクライアント(荷主)様とも密にやり取りしてくれますし、我々倉庫側の設定状況も把握した上で、「まずはここからやってください」「次にこちらを進めてください」と、導入プロセスをしっかり導いてくれます。
他社システムでは、設定がお客様とシステム会社側で完結してしまい、我々倉庫側が見えない部分も多かったのですが、「logiec」では設定の過程も共有されるため、現場スタッフの「こうやって連携ができていくんだ」というシステムへの知見や理解度向上にも繋がっていると感じます。
Q6. 「logiec」を導入したことで、どのような変化や効果がありましたか?
遠藤氏:最も大きな変化は「生産性」と「品質」です。
今までのアナログな考え方だと、1日の出荷が500件と聞くと「多い!人が足りない!」となっていました。しかし「logiec」導入後は、以前の半分ぐらいの人員で回せるようになっています。
体感ですが、アナログでダブルチェックしながら100件対応するのと、「logiec」で500件対応するのが、同じくらいの作業時間なんです。効率の差は一目瞭然ですね。
また、アナログで管理していた頃の「負の連鎖」を断ち切れたことも大きいです。システムによるバーコード検品を導入することで、ヒューマンエラーを限りなく0に近づけられました。言ってしまえば、システム導入するだけで、二重チェック担当者の人件費(時給1,200円~1,400円)が丸ごと浮くわけです。ミスが減れば顧客満足度も維持でき、良いサイクルが生まれます。
営業面でも、「logiec」のシステム利用料をあらかじめ見積もりに組み込んだ提案ができるようになり、コストの推測も立てやすくなりました。
Q7. 今後、はぴロジに期待することや、logiecへのご要望があれば教えてください。
遠藤氏:まず、ハンディターミナル機器との繋ぎ込みは検討してほしいです。現在はスマートフォンをハンディとして使っていますが、画面タップだと「押したかどうかが分かりにくい」「二重にタップしてしまう」といったことが時々起こります。キーエンスのような物理ボタンがある端末の方が、確実な操作ができる場面もあると感じています。
あとは、UI刷新にも期待しています。現状は「あの機能どこにあるんだっけ?」と探すこともありますが、逆に言えば「ボタンが少なくシンプルで分かりやすい」という良さもあると思っています。
それと、ぜひ「倉庫向け(パートナー向け)のセミナー」を増やしてほしいです。(笑)クライアント向けの集客セミナーは多いのですが、我々のような物流パートナー同士が情報共有できるような場があると、業界全体の発展にも繋がるので、ぜひ参加したいですね。

Q8. 最後に、今後の事業展開や、これからシステム導入を検討されている同業者様へメッセージをお願いいたします。
遠藤氏:これからシステム導入を検討されている、特にアナログ管理(Excelや目検)で運営されている倉庫さんにお伝えしたいのは、「品質を担保しなければ、継続的な契約は得られない」ということです。
私たちもかつて、アナログ管理による検品ミスが原因でお客様が離れてしまった経験があります。ミス対策で人を増やせばコストが上がり、採算が合わなくなる。この「負の連鎖」を断ち切るには、システム導入が不可欠です。
「システム利用料がもったいない」と感じるかもしれませんが、そのコストで「二重チェックの人件費」と「ヒューマンエラーによる失注リスク」の両方を削減できると考えれば、トータルコストは絶対に下がります。
私たち自身、この業界で横の繋がりを広げることの重要性を感じています。お互いの強みを活かし、時には助け合いながら、業界全体を盛り上げていければと考えています。
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