入庫とは?入荷との違いや重要性、効率化のポイントまで一挙に解説!

入庫は、商品が倉庫にわたってから行われる重要な作業です。倉庫内での業務効率化や顧客満足度向上に貢献するといった点で、欠かすことはできません。

入庫を行う際は、倉庫事業者との連絡体制を整えてうまく連携を図ることが重要です。

ここでは、物流業務における入庫とは何か、入荷との違いや、連携を図る上で気をつけておくべきことなどを解説していきます。

入庫とは?

入庫とは、商品が倉庫へ渡り、倉庫内に商品の個数や置く場所を決め、システム上に、ネットショップ等の在庫として計上する作業のことを指します。

商品には、倉庫のどの場所に置くかという指定の保管場所があらかじめ決まっています。入庫は、所定の場所に保管して初めて作業が完了します。

実店舗の場合は、入荷した商品を倉庫に保管せずに店頭にすぐ陳列することも多いですが、EC事業では在庫データに計上して、システム上に反映させます。これにより、ECサイト上のデータも更新され、消費者が購入できるようになります。

入庫と「入荷」「出庫」との違いは?

1.入荷

商品発注後、倉庫事業者は最初に入荷作業を行います。入荷は、卸売業者に発注した商品が倉庫に届くことを指します。「入庫」との違いは、届いて受け取った時点で完了したことになるといった点が挙げられます。

この他にも、商品のチェックと納入個数のデータ入力を行った段階で、入荷というケースもあります。

購入者側がよく目にする言葉は、新商品が販売される際の「新商品入荷」や、売り切れていた商品が再販売される際の「再入荷」などが該当します。

期間限定の商品や、人気が集まっており入荷数に制限が掛かっている場合もよくあるケースの1つと言えます。購入者側がネットで入荷情報を調べてから店頭で実際に商品を手に取ることや、複数のサイトを見比べて購入するケースもあります。そのため、入荷は比較的購入者側にとっても身近な言葉といえるでしょう。入荷と発売は紐づいているケースが多いですが、発売する前に入荷している場合もあります。

2.出庫

出庫は、入庫の逆の意味合いになる言葉で、商品や荷物を倉庫内から外に出す作業のことです。また、会社の在庫が資産ではなくなり、状態として「売上」あるいは、販売などに向かうという点が「入庫」との違いと言えます。

倉庫では、「出庫」という言葉よりも「出荷」という言葉の方が利用される割合が高いでしょう。「出荷」も出庫と同様に会社の在庫が資産ではなくなります。商品が注文されたデータに対して、在庫から注文された商品としてピッキングし、注文者のもとへ届けるための準備段階のことを指します。

入庫の重要性

EC事業者にとって、入庫は発注業務を的確に行うために重要な立ち位置にあります。ネットショップの運営では、倉庫の在庫を一定数確保しておき、その在庫数をネットショップの販売管理ページへ反映します。そのため、EC事業者は、在庫が少なくなってきたタイミングで商品を発注する必要があります。

そのため、あらかじめEC事業者が定めておいた在庫の規定数をもとに、入庫の予定を倉庫側でも管理しておくと実際の倉庫内の在庫数の変動に応じて、倉庫からEC事業者へ連絡が入ります。この際に、メーカーや卸売業者に対して発注を行い、倉庫へ納品する流れが発生します。

発注タイミングが遅れたり、実在庫数の把握ができていなかったりすると販売計画が崩れるなど機会損失につながることもあるため、倉庫と入庫のタイミングの連携が最重要と言えます。

発注が完了したあとは、EC事業者から委託先の倉庫事業者へ商品が届く旨の連絡をして、スムーズな引き継ぎを行いましょう。発送が完了された連絡を受けて記録をしておくと、自社での発注状況の連携も効率的に行なえます。

入庫時に起こりやすいミス

まず、入庫時のミスの発生原因の多くは人的な作業によって発生します。機械の繰り返し業務で発生したミスとは違い、柔軟な人的作業で発生したミスは理由もそれぞれ異なります。ここでは人的な作業によって引きおこるミスを解説します。

1.商品の数を誤ってカウントしてしまった

作業手順を守っていても、数え間違えてしまうことや、入庫時に利用するリストへの記載を手書きや手入力で行なっている場合に数量の記載ミスなどが発生します。このようなミスは知識やスキル不足、事前連携や作業時の連絡不足、疲労による集中力低下などによって起こることが多いです。

基本的に入荷予定の内容と納品書の数量、実際の商品の数量は一致することが前提となります。そのため入庫時の商品個数の確認や検品時に慣れが生じると、思い込みからのミスが発生したり、ダブルチェックをしていても流れ作業となってしまい間違いを見落としてしまう可能性があります。

2.入庫時のデータを間違って入力してしまった

データを入力する際、同じ商品を複数回入力してしまったり、登録するべき内容を別の箇所へ反映させてしまっていたというミスが起こることがあります。納品書や伝票の細かい文字列を頼りに目視でデータ入力をする場合、完全にミスを防ぐのは困難です。二段階チェックやシステムを導入するなど、対応方法そのものを再検討する必要があるでしょう。

3.保管場所を間違ってしまった

SKUごとに管理している場合でも、似た商品を誤って同じ場所に入れてしまうといった、入庫時に起こりやすいミスがあります。同じ商品の場合でも入庫のタイミングがズレることで同様に保管場所を間違えてしまうといったミスが発生しやすくなります。この場合、同じ商品の入庫履歴やどこに保管がされているのかがわかるように運用を改善していく必要があります。

4.違う商品が入庫されてしまった

入庫時に初めて商品を手元に取るため、入庫予定の内容と実際に届いた商品が異なっているといったイレギュラーな対応が必要なケースもないとは言い切れません。商品名のみで入庫予定のデータと照合をしてしまうと、同梱されている商品数や限定商品の区分け等を見落としてしまい、不一致に繋がってしまいます。これらは、在庫管理が上手くいかなくなる原因の一つです。属人化により、ミスが長く見落とされている場合、担当交代の際に大きな問題に繋がる可能性があります。

入庫作業を効率化するために気を付けるべきポイント

入庫の際は、倉庫事業者とうまく連携することで、効率よく入庫作業を行えます。「改善するために新規導入する手間がデメリットに感じる」「何から改善したらいいのかわからない」といったお声もありますが手間に感じるデメリットも、その後のトラブルを回避するための重要な手段の一つと言えます。ここでは1つ1つ改善していくために、倉庫事業者との連携で、気をつけるべきポイントについて見ていきましょう。

1.入荷(入庫)予定連絡は適切に行う

EC事業者は委託先の倉庫事業者に対して、商品が「いつ」届くのか、その数量は「どのくらい」なのか適切に伝えておく必要があります。商品の数量などによって、必要な人員数が異なるためです。事前に正確な情報が分かっていないと、作業に無駄な時間が発生してしまうことがあります。

そのような情報が事前に分かっていれば、円滑に入庫作業ができるようになります。

在庫を正しく管理することで商品の品質担保にも直結します。先入れ先だしが必要な賞味期限管理の必要な商品や、ササゲ対応の必要なアパレル商品などは特に、保管方法によって品質に影響をうけます。入荷連絡を適切に行うことで商品の劣化を防ぎ、適切な品質を保った状態で出荷できるメリットに繋がります。

2.商材について詳しく伝えておく

商材について詳しく連携しておくことは「正確な入庫」に繋がります。物流業務の効率化において、正確な入庫作業は「正確な在庫管理」に直結するため気を付けるべきポイントとしてこの点はマストで押さえておく必要があります。

例えば棚卸差異が発生してしまった場合、システム上の在庫数と実在庫数が合わないことは、キャッシュフローの悪化や生産性の低下にもつながってしまいます。また、在庫管理システム上に登録する商品名を間違える可能性もあります。入庫作業での人的ミスを減らす対策がEC事業者側でも必要です。

棚卸差異が起こる原因についてはこちらの記事でも詳しく説明しています。

棚卸差異はなぜ生じる?原因と対策方法を解説

倉庫事業者にとって最も大切なのは、倉庫のロケーションを最適化し商材の管理をすることです。ロケーション管理とは、商品の種類ごとに決められた保管場所を管理することです。出荷頻度の高い商品を作業しやすい場所に保管し、そうでない商品は奥の方に保管するなど整理整頓をすることで、作業効率も上がるでしょう。

併せてこちらの解説記事もご覧ください。

ロケーション管理とは?管理方法やメリット、課題に対する改善策も紹介!

EC事業者様は人気商品など出荷頻度や回転率の高い商材について、しっかりと共有しておくことが大切です。商品のバリエーションなどについても伝えておくと良いでしょう。

3.管理システムを連携させる

倉庫事業者が在庫について把握していますが、EC事業者側でも在庫データを正しく管理する必要があります。

もし在庫データが正しく管理されていないと、余剰在庫の発生や品切れなどの原因になるためです。在庫データが正確でないと、会計管理やその後の処理対応にもミスが生じることもあります。

倉庫側で使用している在庫管理システムや倉庫管理システムと連携させるのが良いでしょう。倉庫側で商品を入庫したら、そのデータがEC事業者側にもすばやく反映されるようになります。EC事業者側でも在庫データを最新に保つことができて、余剰在庫や品切れを防止できるでしょう。

この際、システムの内容によって最適化を行うための機能はそれぞれ異なります。複数名の作業員がシステムを見て理解できる内容であると現場との認識のずれを抑えることができます。選定は現場の作業員の目線や理解度を考慮したうえで行いましょう。

入庫後、スムーズに出荷を進めるには「はぴロジ」からのヒント

出荷作業を行う際、倉庫側に対して出荷指示を丁寧に行うことが重要です。出荷指示に不備があると、誤出荷の原因になってしまいます。会社の信頼を落とさないためにも、ミスは極力防止しなければなりません。

そのためには、商品を納期別や顧客別などに分類しておいた上で、出荷指示を出すなどの方法を採ると良いでしょう。

スケジュールに余裕を持たせることも重要です。ギリギリのスケジュールだと、確認を怠ったり、作業の質が下がったりするおそれがあります。

あわせて、出荷後は出荷データの入力をすばやく行いましょう。入力を済ませればシステム上に反映されるため、全体の進捗状況の管理もしやすくなります。

そのほか、倉庫管理や業務を効率化する方法として、「はぴロジ」の物流アウトソーシングもご活用いただけます。

はぴロジはEC事業者様の商材やエリアに応じた最適な物流倉庫の紹介が可能です。全国200拠点と接続しているため、倉庫にも足を運びやすく、迅速なコミュニケーションが可能です。

また、自動出荷システム「logiec」があらゆるECカート・ECモール・受注管理システムと在庫管理システムの媒介となります。複数倉庫と連携する際に手間なのがデータ連携ですが、logiecであれば自動、もしくは簡単な操作で完了できます。

配送先に応じて近い方の倉庫へ自動的に出荷指示を出すなど、きめ細かな対応が可能になります。配送リードタイムの短縮やコスト削減にもつながるでしょう。

EC事業の効率化や物流代行を検討される際には、ぜひはぴロジにお問い合わせください。

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まとめ

入庫とは、単に物流倉庫に商品を入れるだけでなく、在庫データの計上や検品なども含む作業です。入庫をスムーズにミスなく行わないと、余剰在庫や品切れの原因になってしまいます。そのため、情報共有とシステム連携を徹底しておきましょう。

質の高い物流を実現するなら、はぴロジの物流アウトソーシングがおすすめです。きめ細かなコミュニケーションが可能な倉庫事業者様と提携できるほか、自動出荷が可能なlogiecの導入が可能です。

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