「D2C(DtoC)」とは?知っておくべき7つの事業運営のポイントもご紹介!
最近、「D2C(DtoC)」というビジネスモデルが注目されているのはご存知でしょうか?
「D2C」とは消費者との直接的なつながりを強化し、製造業者やメーカーの独自性を保ちつつ成長を目指すために有効な仕組みです。
ここでは「D2C」を詳しく解説し、知っておきたい事業運営のポイントについても併せてご紹介いたします。
「D2C」にご興味がある方、ECショップを運営されていて業務を効率化させたい方など、ぜひ参考にしてみてください。
「D2C(DtoC)」とは?
「D2C」とは「Direct to Consumer」というマーケティング用語で、「DtoC」と表記されることもあります。製造業者やメーカーが中間業者(卸売業者や小売業者など)を通すのではなく、直接消費者に商品やサービスを提供するビジネスモデルです。
ちなみに、同じような用語でよく聞くことのある「BtoB(Business to Business)」というのは企業対企業での取引、そして「BtoC(Business to Consumer)」は企業対消費者での取引を指しています。
「D2C」は直接顧客と接触するため、商品の製造から販売、配送までを一貫して管理する必要があります。
「D2C」が注目される理由
従来の小売店や卸売業者などの流通経路を省略する「D2C」は、
- 製造業者やメーカーが消費者と直接コミュニケーションをとれる
- 顧客のニーズやフィードバックをより迅速に把握できる
などの大きなメリットを得られるため、とくにデジタル化が進んだ近年で注目度が高まっています。
「D2C」は、直接消費者とつながることが容易になった現代ではアパレル、化粧品、食品、家具、家電製品などさまざまな業界で取り入られるようになっています。
これまで中間業者に頼らなければ市場に参入できなかった小規模な企業や製造業者も、自社の強みやストーリーを消費者に直接伝えるツールが多くなった分、取り組みやすくなったのではないでしょうか。
大手企業にとっても、顧客と直接の接点を持つことはブランディングや新しい収益モデルの開発などに上手くつなげられるでしょう。
「D2C」の5つの特徴
ここでは、「D2C」の主な特徴を5つご紹介いたします。
1. 中間業者を通さない直接販売
前述しましたが、「D2C」の場合はWebサイトやECプラットフォームを通じて直接消費者に販売し接点をもてるのが大きな特徴です。
従来のビジネスモデルでは、まず卸売業者や小売業者を通さなければならない複雑な流通経路がありましたが、今ではより迅速かつ安価に商品・サービスを消費者へと届けられます。
2. ブランドイメージのコントロール
「D2C」では顧客との接点を全て直接管理できるため、ブランドイメージを一貫して消費者に伝えることができます。
従来の卸売業者や小売業者を介した販売では、店舗や第三者の影響によってブランドのメッセージやイメージが変わってしまう可能性もありました。
その一方で、「D2C」では製造業者やメーカーのオンラインストア、SNSなどを通じてブランドのストーリー・価値を直接伝えられるため、より強力なブランド構築が可能です。
また、製品やサービスの価格をはじめプロモーション、パッケージングまで細部にわたってコントロールができるため、ブランドの統一感を保てます。
3. 消費者データの収集と活用が可能
「D2C」の場合、消費者との直接の取引を通じて、詳細な顧客データを収集できます。
顧客の購買履歴、行動データ、フィードバックなどをリアルタイムで取得できるため、このデータを活用して顧客のニーズや嗜好をより深く理解できるようになり、マーケティング戦略や製品開発において大いに役立ちます。
たとえば、購入頻度や閲覧履歴に基づきパーソナライズされた提案や、特定の顧客層に対してターゲット広告を出すことも可能です。その結果、マーケティング効率が向上し、広告費の最適化やリピーターの増加にもつながっていきます。
4. コスト構造の最適化
中間業者を通さない「D2C」は、コスト効率の高いビジネスを実現できます。卸売業者や小売業者に支払うマージンが不要になるため、その分を製品開発やマーケティングに投資できます。
さらに、直接販売することによって製品やサービスの価格をより競争力のある水準に設定できるため、消費者にとっても魅力的な価格で購入できるメリットがあります。
これに加えて一連のプロセス全体の管理も容易になるため、在庫管理や製品供給までも効率化させることが可能です。
5. グローバル展開しやすさ
インターネットを介した「D2C」は物理的な店舗に依存しないため、地理的な制約が少なくグローバルな展開をしやすくなります。
Webサイトを多言語対応にするだけで、世界中の消費者にアプローチできます。国際市場への進出が容易になれば、会社の迅速な成長を促せます。
知っておくべき事業運営・7つのポイント
「DtoC」のメリットはいくつかありますが、成功させるためには事業運営のポイントを把握しておく必要があります。
ここでは、7つのポイントをご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 強固なブランド戦略
「DtoC」の場合、消費者に直接訴求できる強いブランド戦略が重要となります。
従来の卸売業者や小売業者を通じた販売では、製品やサービス自体が前面に出されがちでしたが、「DtoC」ではブランドの背景や価値観などを消費者に強く伝えられるのが特徴です。
独自のビジョンや製品開発のプロセス、創業者のエピソードなどを効果的に伝えられると、消費者にとっての共感や愛着にもつながります。
たとえば、環境に配慮したサステナブルな製品を提供したい場合、そのプロセスや影響を消費者に具体的に発信すれば、消費者はそのブランドに対して共感や愛着を抱きやすくなるでしょう。
2. 消費者データの徹底活用
「DtoC」の大きなメリットは、顧客との直接取引により、詳細な消費者データを収集してマーケティングや製品開発に活用できることです。
- 消費者がサイトでどのような製品を閲覧したか
- どのような購入パターンがあるか
- どの時点でカート放棄して離脱したのか
上記のような行動データは、貴重なインサイト(購買意欲の核心となる部分)となります。
こうしたデータをもとに、ターゲットを絞った広告やキャンペーンを展開することで、消費者に対して最適なタイミングでアプローチを行えるでしょう。
3. ストレスのない顧客体験の提供
オンラインショッピングがメインとなる「DtoC」は、顧客がWebサイトやモバイルアプリを通じて簡単かつスムーズに製品やサービスを購入できるかが重要です。
- サイトのナビゲーションは直感的で分かりやすくする
- 読み込み時間を短縮する
- ユーザーが使いやすいサイト設計
といった要素が必要となってくるので把握しておきましょう。
また、購入プロセスを簡素化し、購入後のフォローアップ(配送状況の通知や、商品の受け取り後のサポートなど)も包括的に行うことで消費者はストレスなく買い物を楽しめ、顧客満足度も向上するでしょう。
4. 強力なカスタマーサポート体制の整備
「DtoC」では製品やサービスを直接消費者に届ける責任があるため、カスタマーサポートは事業運営において非常に重要な役割を果たします。
そしてオンラインでの販売は顧客との直接的な対話が少ないため、消費者が何かしらの問題や質問を抱えた場合に迅速かつ親身な対応が求められます。
- リアルタイムのチャットサポート
- FAQのページ
- 問い合わせフォーム
- ソーシャルメディアを活用したサポートシステム
上記のようなコンテンツを整備することで、顧客満足度はより向上するでしょう。
また、消費者からのフィードバックを迅速に製品やサービス改善へ反映させることで、さらなる信頼感を与えられます。
5. SNSを活用したコミュニティ形成
「DtoC」はソーシャルメディアを通じて消費者との信頼関係を強化することが可能です。
とくにInstagramやTikTokなどの視覚的なSNSプラットフォームでは、製品やサービスのビジュアル・使用シーンを強調し、フォロワーと直接対話する機会が増えています。
また、消費者が製品を使用している写真やレビューをシェアし、それを公式アカウントでリポストすることで、ブランドの信頼性や共感を高められてコミュニティを強化できるでしょう。
このようにSNSは、消費者とのつながりを深める重要なツールとなります。
6. 継続的な顧客関係の構築
「DtoC」では単発的な取引よりも、長期的な顧客との関係構築が重要です。
リピーターを増やすためには、購入後のフォローアップや定期的なコミュニケーションも欠かせません。そのためには定期購入プログラムやポイントプログラムなどを導入するなど、顧客に「再び商品を購入したい」と思ってもらう対策が必要となります。
また、メールマーケティングやニュースレターを通じて、消費者に新商品の情報や限定オファーを定期的に提供するのも効果的です。ブランドに対する興味を持続させ、顧客ロイヤリティをスムーズに高められます。
7. 柔軟で効率的な物流と管理
「DtoC」では製品が直接消費者に届けられるため、効率的で迅速な物流体制の構築が欠かせません。
とくに、消費者は大手ECサイトと同等の速さや信頼性を求める傾向が強いため、配送速度や在庫管理はビジネスの成功に直結します。
製品が手元に届く速さと確実さが顧客満足度に大きな影響を与えるため、需要に対して迅速かつ正確に応えられる体制を整えておく必要があります。
まとめ
「D2C(DtoC)」とは製造業者やメーカーが中間業者を通さずに、直接消費者に商品やサービスを提供するビジネスモデルのことです。
中間業者に支払うマージンを削減できるほか、ブランドイメージのコントロールや消費者データの収集と活用が可能になるため、今後も注目すべきスタイルであるといえるでしょう。
データの徹底活用や強力なカスタマーサポート体制の整備、柔軟で効率的な物流と管理などの事業運営のポイントを把握し、「D2C(DtoC)」を導入して成功につなげてみてはいかがでしょうか。
また、「D2C(DtoC)」向けのカートはシステムが中心となって購入から発送、顧客のアフターフォローを行う必要があるため、カートシステムの選定も重要事項です。ECサイト制作から物流のシステムに至るまで、「D2C(DtoC)」を意識した運営を目指す企業様は、是非はぴロジまでお気軽にご相談ください。