2025.04.21

冷凍倉庫の保管料はいくらかかる?費用相場と内訳

成長産業であるコールドチェーンを支えるのが冷凍倉庫。冷凍倉庫のレンタルを検討する際、多くの企業が気になるのがやはり費用なのではないでしょうか。

冷凍倉庫は倉庫保管料やシステム利用料といった固定費と入庫料や梱包料などの変動費の2つで成り立っています。

そこで本記事では、冷凍倉庫をレンタルする際にかかる費用を解説します。記事後半では自社にあった冷凍倉庫を選ぶ際に、費用以外で考慮すべきポイントも3つ紹介します。

【固定費】冷凍倉庫のレンタルにかかる費用

物流業界では配送・保管の際、大きく常温・冷蔵・冷凍の3つの温度帯に分けて商品を扱います。

温度帯区分は必ずしも倉庫ごとに統一されているわけではありませんが、一般的には常温は10〜20 ℃、冷蔵は5〜マイナス5℃、冷凍はマイナス15℃以下とされています。

分類上では10℃以下の倉庫は全て冷蔵倉庫とされます。しかし、冷凍食品などを保管する冷蔵倉庫との区分を分かりやすくするために、冷蔵庫と冷凍倉庫に分けて呼ぶ場合が一般的です。具体的には、マイナス15℃〜マイナス20 ℃の温度帯の冷蔵倉庫を冷凍倉庫と呼びます。

冷凍倉庫で保管される商品は具体的に冷凍食品やアイスクリーム、魚介類などが挙げられます。

この冷凍倉庫をレンタルする際にかかる固定費用は「倉庫保管料」「システム利用料」「業務管理」の3つが挙げられます。

この固定費用は占有スペースを変更しない限り、毎月一定の料金を支払う必要があります。

倉庫保管料

倉庫保管料は商品を保管するスペースを維持するためにかかる費用のことを指します。

冷凍倉庫は冷凍設備にも費用がかかるため、常温倉庫に比べて保管料が高い傾向です。 また、相場は倉庫面積や地価に影響を受けます。

物流倉庫会社によって、坪や棚パレットなど単位が異なります。坪単位の場合、相場は月額3,000~7,000円/1坪となります。

システム利用料

冷凍倉庫では入庫や在庫管理などは倉庫管理システムを用いて行なっています。

その管理にかかる費用がシステム利用料になります。相場は2~5万円です。

これは導入するシステムによって価格が大きく変わります。クラウド型は比較的安く、パッケージ型やフルスクラッチ型は比較的料金が高いことが多いです。

業務管理費

業務管理費は商品管理に必要な手数料のことです。

これは出荷件数によって金額が決まる場合が一般的ですが、相場は1~5万程度です。

企業によっては、この業務管理費とシステム利用料を合わせて基本料としている場合があります。また、一括請求する企業もあれば、商品の取扱量によって、料金を設定している企業もあります。

【変動費】冷凍倉庫のレンタル費用

冷凍倉庫レンタルする際は、固定費だけでなく変動費も支払う必要があります。

この変動費には「入庫料」「デバンニング料」「出荷料」「梱包料」「配送料」の5つがあります。

入庫料

入庫料とは、倉庫に商品が到着した際の荷物の仕分けや入庫にかかる作業費用のことを指します。

倉庫に入ってきた大量の荷物を種類別に分けて、特定の場所に収める業務には多くの作業コストがかかります。

そのため、この入庫料は多くの物流会社で設定されています。

この入庫料は重量や荷物の形式(段ボールやパレットなど)、入庫の形式(宅配便やコンテナ、PL)によって料金が決められていることが多いです。

段ボールの場合は、10~30円/1個が相場です。

デバンニング料

デバンニングとはトラックやコンテナに積まれている荷物をフォークリフトなどで荷下ろしする作業のことです。

フォークリフトを利用して、安全に荷物を降ろすためには相当の技術が求められるため、入庫料とは別にデバンニング料として別途請求されるのが一般的です。 費用相場は2万円から3.5万円前後です。この料金はバラ作業かパレット作業か、手摘みかどうかによっても変動します。

検品・出荷料

検品とは入庫の際、発注した通りの規格で送られてきているか、商品数や品質に問題がないかを検査する作業のことです。

出荷はユーザーからの注文を受けて、倉庫から特定の商品を取り出してピッキングする作業のことです。この検品と出荷にも費用がかかります。

検品は物流倉庫によってチェック項目に違いがあります。 数量だけを確認するのであれば10〜30円/1個が相場ですが、動作確認が必要な場合は料金が2〜3倍に跳ね上がることもあります。

また出荷料はただ出荷するだけであれば、相場は10〜40円/1個程度ですが、別途で値札やラベルを貼る場合はその作業分が上乗せされます。

梱包料

梱包料は商品を配送できる状態に梱包する作業にかかる費用のことです。

発送する商品を傷つけないようにダンボールやクッション材で包装します。

この梱包費用は商品のサイズや包材の種類によって異なりますが、相場は150~300円/1個です。また納品書の発行や緩衝材にかかるコストは、梱包費用に含まれていることが多いです。

また、気持ちを添えたお礼カードを一緒に同封したり特別なラッピングを施したりしたいとお考えの担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。

これらの同梱費用は梱包費用に含まず、別途オプション費用として請求する企業が一般的です。

配送料

配送料は梱包した商品をユーザーに届けるための配送にかかる費用のことです。

一般的な運送会社を利用する場合がほとんどで、運送距離やサイズに応じて配送料が変動します。相場は400~1,000円/1個です。

特に離島の場合は、料金が高くなる傾向にあります。

近年のネットショッピングの普及により、配送料は値上げ傾向にあります。しかし、ほとんどの物流会社は大手物流会社と割引契約を結んでいるため、宅配業者と直接契約する場合と比べて安く済むでしょう。

【冷凍倉庫選び】費用以外で確認すべきこと

多くの企業にとって、冷凍倉庫を選ぶ際に最も気になるのが料金でしょう。

しかし自社にあった冷凍倉庫を選ぶためには、費用以外にも考慮すべきポイントがあります。

そこで本章では、費用とプラスして確認していただきたい点を3つ紹介します。

立地と保管料のバランスが良いか

立地と保管料のバランスは確認しておきましょう。

地価の影響を受けやすい保管料は、地方であれば費用を抑えられます。

しかし、地価の安さを求めすぎて、ユーザーとの距離が離れてしまうと、かえって配送料の負担が増えてしまうケースもあります。

そのため保管料と配送料のバランスを考慮する必要があります。

素早く正確な対応が可能か

さまざまな人の協力が必要な物流では、人的ミスがつきものです。

ミスが生じた際に出来るだけ損失を抑えるためには素早い対応が必要です。 

自社専用の担当者をつけてくれるのかどうかや、担当者のレスポンスの速さは確認しておきましょう。

繁閑期に柔軟に対応できるか

時期によって倉庫内の在庫量は常に一定ではなく、変動します。

冷凍倉庫を選ぶ際は、特に繁忙期に増加する商品の対応を柔軟にできるかどうか確認しましょう。

在庫量に応じて柔軟に対応できる冷凍倉庫であれば、保管料を最適化することができます。

はぴロジのフルフィルメントサービスなら、自社の受発注フローや商材の出荷頻度などに応じた倉庫を全国200以上の物流拠点から紹介できます。

配送先に近い拠点から出荷することで、配送距離が短くなり配送コストを削減することも可能です。

まとめ

成長産業であるコールドチェーンを支えるのが冷凍倉庫です。

上述したように冷凍倉庫をレンタルする際は、毎月必ずかかる固定費と在庫によって変わる変動費の2つから成り立っています。 費用だけでなく、立地と保管料のバランスや担当者の素早い対応、繁閑期の柔軟な対応の3点も考慮し、自社に最適な冷凍倉庫を選定しましょう。